この記事はTUT Advent Calendar 2016の23日目の記事です.

記事を書くととりあえず予約をしたのは良いが適当に頑張っても技術的なネタが卒研発表会の準備等で忙しかったので用意出来なかったために,今回は技術的なネタじゃなく3系のB3に向けた記事を書こうと思います.

本大学の情報・知能工学課程では2016年12月22日に卒業研究発表会がありました. きっと実家への帰省や朝起きたりするのが面倒で卒研発表会を見にこれていないB3が多々存在することでしょう. そこで,今回は2016年度の情報・知能工学課程卒業研究発表会にて優秀,最優秀となった発表をちょちょっと紹介したいと思います. 予稿集には卒研発表日まで公開しないでね,と書いてあったので,過ぎたらもう公開しちゃっても良いでしょう.

ただ,本人の名前等を入れるのは個人的に微妙なので,研究室名と発表タイトルのみの紹介となります. 3系B3の方はどうぞ研究室選びに御活用下さい. また,内容は卒業研究発表会の予稿集や発表を聞いて書いているので,謝りとう存在したりしますが,何か気になった点があれば@emaxserまでご連絡下さい.

本年度は卒業研究発表会はAとBというグループに分かれそれぞれに優秀,最優秀発表が儲けられ,Aグループではそれぞれ1つづつ,Bグループでは優秀が1つ最優秀が2つ選ばれたので,今回の記事では5つの卒業研究をご紹介します.

Aグループ

最優秀発表

白色境界線の負荷による色対比錯視の強化【視覚神経科学研究室】

細い誘導線領域に対して白色線でふちどる事で非誘導線領域がピンク色に見える現象を発見した. この現象は視距離や灰色の鮮度を変えても同様に発生する. この現象を実験により基地の現象でない事を確かめた. 実験は古典的な色対比の法則,画像表示のエラー,色収差ではない事を確認した.

優秀発表

映像の時間変化に着目したHalf-Diminished Realityの実現 【応用数理ネットワーク研究室】

物体を操作される様子を映像によって観察する場合に人の手や体などによって操作する物体が遮られれ操作を確認することが難しくなる. そこで,操作する物体とその背後にある物体の両方が同時に見えると理解等行いやすくなる. Diminished Realityという映像から物体等を消す手法を用いて両方の様子が見える映像を作成することを目指す 物体を完全に消すのではなく半透明にするHalf-Diminished Realityと呼ばれる. HDRを実現するためにDR手法を用いて背景を得る必要がある. この研究では背景は静止し,前衛は動くということを利用し,画素値が時間的に変化している部分を前衛,変化していない部分を背景として背景のみの映像を生成した. しかし,ここで得られた背景映像に現在の映像を半透明にし重ねるだけでは背景と前衛の動きが同期せずに背景映像が送れるという問題がある. そこで,タイムシフトを利用することでこの問題に対処した. 放送映像などでは撮影から試聴までに元々遅延があるため数秒程度の遅延は問題ないとして,遅れてしまう背景映像に対して,現在映像も遅らせて半透明で重ね同期されたHDR映像の生成が可能となった.

Bグループ

最優秀発表

深層強化学習を用いたロボットの経路計画 【行動知能システム学研究室】

深層強化楽手を用いた経路計画手法の提案を行なった. 政策関数により現在の状態から次の行動を決定し,行動価値関数によってその行動の妥当性を評価する. 大学構内の環境を2次元地図としてモデル化したシミュレータ上で学習を行なった. 政策関数はロボットが搭載している距離センサのデータから行動を決定し,シミュレータ上のロボットを移動させ,その行動を評価し報酬をあたえる. 行動価値関数を最大化するように政策関数を学習させることで最適行動を求める. 実験にはシミュレータ上で学習環境とは別の経路を走行させることで学習された政策関数の性能を評価し,さらに,実際に大学構内を走行させることで実環境でもこの手法が適応可能であるかを検証した. また,実験では環境内を移動する人などを増やしロボットが危険な状況を予想出来るかも検証を行なった.

画像のイルミネーション投影における欠損復元 【グラフィックメディア研究室】

グリッド状に配置したLEDにイラストをマッピングしたイルミネーションを良く見るが,イルミネーションの解像度は高くないため,イラストなどの画像をダウンサイジングする必要がある. しかし,既存の手法ではイラスト画像に花弁や雪などの微小物体をダウンサイジングした場合に歪みが生じる可能性がある. そこで,背景画像と微小物体を分離し,背景画像をダウンサイジング後に微小物体を描画することによって対応を試みていた. 微小物体の抽出には面積が縮小時に1ピクセル未満となる連結成分を微小物体として検出しマスク処理によって抽出する.

優秀発表

環境ノイズ人感センナにおける人・環境依存性および整流昇圧回路の性能評価 【ユビキタスシステム研究室】

IoTの普及が進み,生活支援サービスを行うための研究が進んでおり,特に人検出は重要である. 一方でセンサをモノに付加する場合,電源の確保は,設置の自由度や動作時間,メンテナンス性などに影響する重要な問題である. そこで誘電体である人体がアンテナに近付いた時にアンテナの感度が向上するすることを利用して電源の確保を必要としない人感センサが提案されている. 先行研究では,人感センサにおいて整流昇圧回路に使用しているCockcroft-Walton回路について,素子を変化させ3通りについて比較を行なっており組合せによって人感センサとして動作可能であることが示されている. この研究では先行研究からさらに素子を増やし,また,測定において測定場所の変化や検出される対象によって動作が変化するかなどの検証を行なった. これにより,素子の変更により,高い出力を得ることの出来る組合せを確認した. また,測定場所により出力に違いがあり設置場所により閾値などを変更する必要がある事が分かった. 加えて,検出される対象による影響はないことも確認した.

まとめ

ということでとりあえず,優秀発表をまとめてみました. 現在3系でB3の方はこれから研究室を選んだりすると思います. 適当に楽しく考えてみて下さい. べつに,B4の時に配属されなくても修士に上がる時に希望を出せば研究室は比較的自由に変更出来るので気楽に研究室を決めてみて下さい.